2022.02.17

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昭和20年代レシピ★「干し柿の砂糖漬け」作ってみた!アレンジで今風デザートにも挑戦!【料理温故知新】

干し柿を食べる機会って、都会暮らしだと残念ながらあまりないですよね。でも、かつて干し柿はもっと身近な存在でした。そんな時代に発案されたのが「干し柿の砂糖漬け」です。昭和20年頃のレシピだと思われます。もともと保存食ですが、さらに砂糖漬けで保存期間に拍車をかけてます(⁉)。夏に、氷水に入れて飲むと「まことに結構なお味」とか。面白そうなので、試しに作ってみました。


【画像を見る】昭和20年代のレシピを再現!

「干し柿の砂糖漬け」のレシピはこの雑誌から…



当メディア『あたらしい日日』の背景には、月刊『家の光』という家庭雑誌の存在があります。

その歴史は古く、大正14年の創刊。このレシピは、古い月号の記事のなかからピックアップしました。当時の読者が実際に作っていた保存食のレシピを、家庭雑誌『家の光』に投稿したものと思われます。

画像は、当時の記事を書き写したものです。昭和25~32年頃の投稿記事。単位に「匁」と出てくるあたりに時代を感じますね。筆者はふだん干し柿を食べないのですが、砂糖漬けにしたらどんな味になるんでしょう。楽しみです♪

干し柿の砂糖漬けを作ってみた

用意した材料は以下の通りです。

【材料】(作りやすい分量)
干し柿...10個
しょうが...37.5g
砂糖...187.5g

【必要なもの】
保存瓶(500mLよりも大きいもの)



干し柿は近所のスーパーでは売っていなかったので、インターネットで購入しました。表面の白い粉は、柿から染み出したブドウ糖の結晶なので、粉は落とさずそのまま使います。

<作り方>
1.しょうがは皮を剥いて、スライスしておく。
2.瓶の底に砂糖をまぶし、その上に干し柿を並べ、さらにその上に1を並べる。

柿は瓶の大きさに合わせていれました。わたしが用意した瓶だと3~4個並べることができましたよ。
しょうがは、スライス2~3枚並べました。砂糖は目分量ですが瓶の1/3ぐらいの量です。



3.2を繰り返し、すべての材料を瓶に入れたら密封する。

柿は3~4個で1層、合計3層になりました。しょうがや、砂糖も同様に3層になっていますね。



さて、このあとどうなるのでしょうか?

約1か月経ったらどうなった?

約1か月経ったものがこちらです。砂糖の量が減り、下の方で液状になっていることがわかります。また、しょうがは水分が抜けて薄くなっていますね。





瓶から取り出してみると、見た目の違いがよくわかります。
干し柿の表面にあった白い粉がなくなり、果肉全体が琥珀色に透き通っています。



漬ける前よりも表面がやわらかくなり、かじってみるとねっとりとした食感。もともと甘いため、砂糖漬けにしたらどうなるのかな? と思っていましたが、甘すぎず、ちょうどいい味わいです。一緒に漬けたしょうがの香りがふんわりと漂ってきます。もちろん、このまま食べてもいいのですが、せっかくなので少しだけ手を加えた2品を作ってみました。

干し柿の砂糖漬け紅茶





記事にもあったように、お茶に入れて飲んでみる方法を試してみました。熱々の紅茶の中に、干し柿の砂糖漬けを1個入れます。

まず紅茶を飲んでみると、干し柿についていた砂糖が溶け出し、ほんのり甘い味わいに。紅茶そのものの味や香りはほとんど変化はありませんでした。でも、紅茶を飲んだあとに残った干し柿を食べると、これがとてもおいしいのです。

一般的な干し柿だと噛みちぎるのに力がいりますが、紅茶の中に入れると果肉がふやけてふわふわになっています。果肉は程よく甘みが抜けていて上品な味わいに。見た目にインパクトがある上、飲み終わったあとに干し柿を食べる楽しみがあるのがいいですね。

ヨーグルトと干し柿の砂糖漬け



デザート風に楽しむなら、干し柿の砂糖漬けを無糖ヨーグルトといっしょに食べるのがお勧めです。砂糖に漬けることで甘く、しっとりとした果肉と、ヨーグルトの酸味が絶妙な組み合わせ。よく噛むと、しょうがの香りが口の中で広がり、大人のデザートとして楽しむことができますよ。

干し柿の楽しみ方が広がる砂糖漬け

干し柿といえば、そのまま食べるものと思っていましたが、砂糖漬けにするとお茶に入れたり、デザート風にしたりと、食べ方の幅がぐんと広がりました。少し手間と時間はかかりますが、その分だけ長い間干し柿を楽しむことができます。また、見た目も華やかでめずらしいので、おもてなしにもぴったりです。昭和の暮らしの知恵を、今の生活に少しだけ取り入れてみてはいかがでしょうか?

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