突然ですが、当メディア「あたらしい日日」の背景には、月刊『家の光』という家庭雑誌の存在があります。その歴史は古く、大正14年の創刊。古い雑誌を眺めていると、面白い記事に出くわすことが多々あります。そこで、料理だったり家事だったり、古い記事のなかから興味深いものをピックアップ!そのアイデアを再現してみようと思います。当時の制作者の思いは違うはずですが、あらためて今見返すと“サスティナブルな思想”に通じるものがたくさんありました…。【画像を見る】昭和のカボチャの保存法をやってみた!記事の内容は…今回、あたらしい日日編集部から頂いたミッションは、「カボチヤの切干」です。
以前
ナスの切干に挑戦しましたが、今回はカボチャ……う~ん、ナスより手強そう。
ナスはすぐにカラッとしましたが、カボチャは中までしっかり乾かすのが難しそうじゃないですか?
とはいえ、ナスの時はうっかりカビが生えてしまって失敗しちゃったので、今回はより一層気合を入れて干します!
オーソドックスなカボチャの保存方法切干に挑戦する前に、そもそもカボチャってどうやって保存するのがいいのだろう?と気になったので、オーソドックスな保存方法について調べてみました。
すると、いろんなサイトで紹介されているのは「冷凍保存」。
やはり一番手軽にできる気がしますよね。
ニチレイのサイトによると、カボチャの冷凍保存のポイントは
・すぐに種とわたを取り除くこと(これ鉄則)
・用途に合わせてカットする
・マッシュして冷凍するとよりおいしさが保てる
・調理するときは冷凍のまま使える
のようです。
カボチャは通常、冷蔵庫で3~4日程度の日持ちだそうですが、冷凍するとおよそ2週間くらい日持ち可能とのこと。
しかし、今回チャレンジする切干なら、もっと長く保存できるのではないでしょうか。
記事には「秋から冬にかけて取り出して」と書いてあります!つまり、季節を超えちゃうということ。
雑誌『家の光』の読者は農家さんがメインなので「生産したものを決して無駄にはしたくない」…そんな想いを感じますよね。令和のいまで言うなら、SDGsの12番「つくる責任 つかう責任」にぴったり寄り添います!
いかなる時もカボチャを常備しておきたいカボチャスキーの皆さんは、切干必須かもです!
いざ、カボチャの切干へ!カボチャは硬くて切るのが大変ですよね。なので、記事にある通りと思われる切り方のものを購入してきました!
ワタを取って半月型。そのものずばりではないでしょうか。
問題なのは「五六分の厚さ」。
そもそもこれは5、6分の厚さということなのか、56分の厚さということなのか。
5、6分の厚さとなると厚すぎる気もしますが、56分なんて聞いたことありませんよね。
とりあえず、わたしのイメージとは一致しているので、買ってきたままのこの厚さでチャレンジします。
しかし、この切り方だと、煮付けにするには少し薄いような気がしませんか?
というわけで、ダイスカットのカボチャも用意しました。
さすがにちょっと大きすぎですかね。ちゃんと干せるか心配なので、少し切りました。
これくらいなら、煮付けにしても良さそう!
というわけで、今回は二種類の切り方でレッツ切干です♪
忘れちゃいけない、お天気チェック言わずもがなですがお天気はとても重要。
晴れの日が続くタイミングを見計らいましょう。
今回のむこう10日間の天気はこんな感じ。
6日目の雨マークが若干心配ですが、概ね晴れてますし多分いける!と判断しました。
カボチャをベランダへ!以前、
ナスの切干に挑戦した時にダイソーで購入した筵(ムシロ)代わりの「多用途ネット」、もとい「野菜干しネット」が今回も大活躍です!
糸を通すより簡単に、ザルに広げるより一度にたくさん干すことができます。
カボチャをセットするとこんな感じ!
このカボチャ干しネット、今のところ「写真を撮る時ネットにばかりピントが合って、カボチャにピントが合わない」くらいしか難点が見つけられません。
都会の軒先でも干し野菜作りを楽しめる優秀なアイテムです。
日の光を浴びて、カボチャの美しいオレンジが輝きを増しているように思われます。
2日目。
まだ全然乾いている感じがしないですね。
外側がちょっとパサついているでしょうか。
悲劇は4日目に。
まさかの雨。天気予報外れた!!
昭和に比べてきっと精度は上がっているのでは?と思うのですが、令和においてもなおわたしたちを悩ませるのが天気。
自然は本当にどうしようもないです。
というわけで部屋干しへ。
わが家の派手なカーテンにも負けない存在感。
野菜干しネットからは「干していることを忘れさせない」という矜恃を感じます。
だいぶ乾いてきてます。
湿っているかのように色が濃い部分がありますが、触ってみると結構パサパサです。
カボチャ本来の美しい色彩が際立っています。
5日目は晴れたので再び外へ!
もうだいぶ仕上がっています。
が、もう少し。もう少し干させてください。
乾いていると思っても、本当は内側に水分が残っていてカビが生えたなんて悲しい結末、もう見たくないのです。
(詳しくはナスの切干の記事をご覧ください)昨日よりさらにパサついている感じがします。
でもまだ不安。野菜の保水力を舐めてかかると、裏切られるのです。
結局、ダメ押しで8日間干しました。
干しあがりがこちらです。
これは干し上がっているでしょう。
色味も違いますし、何より水分感が全くありません。
「すつかり干し」上がっているはずです。
これを密閉できる容器に入れて保存するのですが、強い味方を紹介します。
これもダイソーにありました。ダイソーはもはやブレーン。わたしの生活をプロデュースしてくれています。
干したカボチャを密閉容器に入れ、食品乾燥剤を入れて、このように保存します。
これでわたしの大事なカボチャも「パリッと」保存されるはず!
いざ、実食!切干チャレンジで何より楽しみなのは、やはり食べることですよね。
1週間以上お預けをくらったカボチャですもの、食べられる喜びもひとしおです。
記事にある通り、煮付けとおみそ汁にしてみました。
まずは煮付けから。
水に浸します。
しばらく経っても変化が見えないようでしたので、2時間ほど放置。
煮付け用の厚めのカボチャなので徹底的にやりました。
電子レンジでチンしたら、そのまま蒸したカボチャみたいになるのではと思い、浸していた水を抜いてチンしたのがこちらです。
実はこれ、見た目ほど全然柔らかくなく、やはり煮ないといけないようです。
鍋にだしやしょうゆと一緒に入れて、煮ます。
ここで、せっかくなら他の食材とのマッチングも味わいたいと思ったわたしは、手近にあった青ねぎを投入。
甘辛いカボチャ&ネギの煮付けの完成です!
干して成分がギュッと濃くなったのか臭いは強いですが、しっかり水に浸した甲斐あってほっくりとした食感。
ところどころ染み込みが足りず、乾燥カボチャらしい硬いところがあったのはご愛嬌。
トロトロになったネギとも相性抜群でした。
続いてはみそ汁です。
同じく水に浸します。
薄切りのカボチャを使います。
しばらく水に浸した後、小さめにカットしてみそ汁に入れました。
やはり色味がいいですね!おみそ汁に彩りが添えられてほっくりとおいしそうです。
こちらもやはり臭いは強めですが、煮崩れることなくカボチャの甘みがみそ汁の中に溶け出していて、食感と味わいを楽しむことができました。
臭いは課題だけど、保存が効いておいしいのはうれしい!煮付けもみそ汁も、難点を強いて挙げるなら「臭いが強い」ことでした。
これを上手に消すことができれば、もっとカボチャの切干を楽しめるような気がします。
そこのひと工夫が、主婦の腕の見せどころですかね。
ダイソーなどの便利な道具がない昭和の主婦の皆さんはどのようにしていたのでしょう。興味が湧きました。
でも、冷蔵や冷凍ができなかった時代(冷蔵庫が広く普及し始めたのは昭和30年代後半です)に、天日干しの野菜はとっても貴重な食材だったのだと思います。
煮付けにしてもみそ汁にしても、煮崩れしないのが良かったです。
ところどころ乾燥が残ってしまうのは、じっくりコトコト煮込むことで解決できるのではと思います。
カボチャのオレンジはきれいで食欲をそそります!
ぜひ、カボチチャの切干、お試しください!
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