看護師のmocaです。冬に猛威をふるうノロウイルスなどの感染性胃腸炎。今年も増えてきているので注意が必要です。すでに11月24日放送の『THE TIME,』でも取り上げられており、医師が解説していました。冬に流行する感染性胃腸炎のほとんどがウイルス性胃腸炎だといいます。感染力の強いウイルス性胃腸炎は保育園などを中心に流行し、大人にも感染しやすいのが特徴。今回は感染性胃腸炎にかかってしまったときの正しい対処法について、詳しく解説していきます。【看護師が解説】食べ過ぎ注意!ギンナンには毒がある⁉子どもの『ギンナン中毒』によくよく注意して!冬に流行する感染性胃腸炎吐き気や嘔吐、下痢、腹痛、発熱などのつらい症状を引き起こす感染性胃腸炎の流行が始まっています。
『THE TIME,』は王子神谷内科クリニックの伊藤 博道院長を取材。
このクリニックでは10月下旬からウイルス性胃腸炎の患者が増え始め、11月以降毎日の患者数が4~5人に及んでいるそうです。
コロナ患者の増加で現場がひっ迫しつつあるなかで、胃腸炎の患者にも対応するため先月から急遽「おなか外来」を新設して対応しているといいます。
コロナウイルスの流行が始まった2020年は比較的感染が抑えられていたウイルス性胃腸炎ですが、今年はコロナ前の2019年の同じ時期の患者数をすでに超えていて、今後はさらに増えることが予測されます。
第36週(9月)からの感染性胃腸炎患者数
出典:東京都感染症情報センターHP予防には十分な手洗いが最も有効コロナ禍で手のアルコール消毒の習慣がすっかり定着していますが、ノロウイルスをはじめとするウイルス性胃腸炎の病原体にはアルコール消毒が効きにくいので注意が必要です。
ウイルス性胃腸炎の予防には石鹸と流水で十分に手洗いをすることが最も大切なんです。
出典:イラストAC
トイレの後、食事や調理の前などは特に丁寧に手洗いを行ってください。また牡蠣などの二枚貝を調理して食べる際は中心までしっかり加熱するようにしてください。ウイルス性胃腸炎は健康な人なら通常2~3日で症状が治まることが多く、感染しても発症しない場合や軽い風邪程度の症状で経過する場合もあります。
一方、免疫力の低い乳幼児やお年寄り、妊娠中の方は重症化しやすいので特に注意が必要です。
番組のなかで伊藤院長は感染性胃腸炎にかかったおそれのある場合、病院に行く前にやってはいけない2つのことについて解説していました。
感染性胃腸炎でやってはいけない2つのこと
NGポイント①:強い下痢止めを飲む
出典:イラストAC
伊藤院長のコメントは「感染の初期に強い下痢止めを使ってしまうとウイルスが体のなかに滞ってしまって、逆に悪化する。もしくは治りが悪くなると言われています」。
ウイルス性胃腸炎にはインフルエンザなどと異なり抗ウイルス薬はなく、抗菌薬も無効です。
下痢止めを飲んでしまうとウイルスを体外に排出するのを妨げることになり回復が遅れてしまいます。
ウイルス性胃腸炎にかかった場合は症状を緩和する対処療法を行いながら、安静にして自然に回復するのを待ちます。
発熱や腹痛に対しては解熱鎮痛剤を使用したり、症状が重く飲水も難しいような場合は点滴治療を行われることがあります。
NGポイント②:ジュースや牛乳、食物繊維の多い野菜を摂取するこれらの食べ物は胃や腸に負担をかけてしまうため控えるようにしましょう。
このほかにもカフェインを含む飲み物、酸味の強いもの、胃に刺激を与える香辛料などは避けることが望ましいです。
胃腸炎治療の基本は嘔吐下痢や発熱による脱水を防ぐための水分補給です。
水分補給ができていれば、無理に食事を摂る必要はありません。
体内への吸収が速やかなスポーツドリンクや経口補水液をこまめに摂取することで点滴治療の代わりになります。
出典:イラストAC食事がとれるようになってきたら、おかゆや柔らかく煮込んだうどんなど薄味の消化によい食べ物を少量ずつから始めていきましょう。
いかがでしたか?
もしも感染性胃腸炎にかかってしまったら、早く治すために適切な対応をとっていってくださいね。