2023年3月から北海道では食を通じたアイヌ文化の魅力を発信する取り組みが行われ、道内8か所のホテルや飲食店で現代風にアレンジしたアイヌ料理を食べることが出来ます。そのひとつが「シラリの焼き菓子」。本来はアイヌの人々に伝わるヒエのお酒「トノト」の酒粕「シラリ」を混ぜ込んで焼きますが、入手しやすい酒粕でアレンジした簡単レシピが紹介されていましたよ。おうちで現代風アイヌの焼き菓子に挑戦です!【シン・アイヌ料理】「サーモンのチタタプ」に挑戦♪ん、チタタプって何だ⁉アイヌ伝統の「たたき」料理です「シラリ」はヒエのお酒「トノト」の酒粕!アイヌの儀式では最上級の供物
北海道でアイヌ料理を提供しているお店のTwitterに、復刻版のアイヌのお酒「トノト」が紹介されていますよ。濁り酒のように白濁したお酒なのですね。
「トノト」はヒエなどの穀類から造ったお酒のことで、アイヌの人々にとって儀式に欠かせない特別なもの。その「トノト」をザルで濾して残ったものが「シラリ」と呼ばれています。「シラリ」も同様に、神様へのお供え物として使われていたそうです。
3月21日放送のSTV札幌テレビ『どさんこワイド179』の料理コーナー・どさんこ☆キッチンでは、「シラリの焼き菓子」を家庭で作りやすくアレンジした「酒粕の焼き菓子」を作っていました。今では入手困難な「シラリ」は酒粕で代用。ホットケーキミックスで気楽に作れるように工夫していましたよ。
アイヌ料理は食べたことがないので、とても興味があります!現代風にアレンジされたアイヌの焼き菓子を作ってみます♪
トースターで気軽に焼ける♪「酒粕の焼き菓子」を作ってみた!
【材料】(20×13cmの型1個分)酒粕…100g
ホットケーキミックス…100g
卵…1個
グラニュー糖…30g
牛乳…100ml
1.ボウルに卵を割り入れて泡立て器で溶きほぐし、グラニュー糖を加えてさらに混ぜます。
![](https://images.nichinichi-magazine.com/articles/5000/5348/wysiwyg/4e9d13eea8a24ecc0bc379b4cc05c4aa.jpg)
全卵をある程度泡立ててからグラニュー糖を加えて、さらに混ぜ合わせます。
2.酒粕を加え、なめらかになるまで混ぜます。
![](https://images.nichinichi-magazine.com/articles/5000/5348/wysiwyg/eb6b4dc5c663145ca31faa837492def6.jpg)
今回はペースト状のやわらかい酒粕を使いましたが、板状の酒粕の場合は酒粕をお湯でふやかし、やわらかくなったらお湯を捨ててペースト状にしてから使ってくださいね。
酒粕を一度に入れると混ざりにくいので、4回に分けて少しずつ溶かしながら混ぜ合わせました。
![](https://images.nichinichi-magazine.com/articles/5000/5348/wysiwyg/34f62bfaa4a0b0f8bcc9a9489151c3b3.jpg)
酒粕をすべて混ぜ合わせると、やわらかい白みそのような状態に。日本酒の芳醇な香りをほんのりと感じますよ。
3.牛乳を加えてよく混ぜ、ザルでふるいながらホットケーキミックスを加えます。シリコンベラで切るように混ぜます。
![](https://images.nichinichi-magazine.com/articles/5000/5348/wysiwyg/89bd9b94cbecea8845ac1c5f86aa779f.jpg)
牛乳を混ぜ合わせた生地に、ホットケーキミックスをふるいながら加えます。
![](https://images.nichinichi-magazine.com/articles/5000/5348/wysiwyg/a31b62d9572790a0006ecc54341c26d3.jpg)
ホットケーキミックスが入ったら、切るようにして混ぜ合わせます。
4.底にクッキングシートを敷いた型に生地を流し入れ、トースターで20分ほど焼きます。
![](https://images.nichinichi-magazine.com/articles/5000/5348/wysiwyg/df7b49fc9622872bb2588056e9b056ba.jpg)
「酒粕の焼き菓子」はそれほど膨らまないので、クッキングシートは底だけで十分だそうですよ。
![](https://images.nichinichi-magazine.com/articles/5000/5348/wysiwyg/2a1c1eff87e9f3da4f293cbba6e4d2f5.jpg)
トースターの温度が不明だったため、今回は180℃に設定して20分焼きました。
酒粕入りなので生地が焦げやすく、表面がこんがりとしてきたらアルミホイルをかぶせるのをお忘れなく。今回は7分ほどで表面においしそうな焼き色が付きました。
焼いている時から酒粕の芳醇な香り♪日本酒パウンドケーキのようなおいしさに
![](https://images.nichinichi-magazine.com/articles/5000/5348/wysiwyg/aba3e7bfa70ba3168a0a23052a52409d.jpg)
ホットケーキミックスとトースターで気軽に作れた「酒粕の焼き菓子」です。トースターで焼いたとは思えない本格的な焼き上がりですよ♪
焼いている時から酒粕の芳醇で甘い香りが広がり、高級な焼き菓子を作っているような気分に♪もちろん、焼き上がりもとってもいい香りが漂っています。焼きたてはきれいに切れないので、しっかりと冷めるのを待ちましょう。
型から外す時は周りに包丁の刃先を少し入れると、きれいに外せますよ。
![](https://images.nichinichi-magazine.com/articles/5000/5348/wysiwyg/a154a0538fbeb24adcdf4b5cb1c85e47.jpg)
今回は正方形にカットしてみました。厚さは1cm程度と薄いのですが、生地が詰まっているような感じです。
食べてみると…とってもしっとり!ホットケーキミックスで焼いたとは思えない生地感です。酒粕がたっぷりと入っているので、このしっとり感が生まれているのでしょうね。日本酒の味わいがしっかりとしていて、まるで日本酒を染み込ませたパウンドケーキのよう。
アルコールに敏感な方や子どもには向かない可能性すら感じますよ。これは大人向けのケーキと割り切って、大人がこっそりと楽しむのがよさそう。
![](https://images.nichinichi-magazine.com/articles/5000/5348/wysiwyg/65c2e77b87c3547fd222121c4c5f01a6.jpg)
ホットケーキミックスでホットケーキやパウンドケーキを焼くと甘くてふっくらと焼き上がりますが、酒粕を入れたことでしっとりと、やや重ための生地に仕上がりました。
アイヌのお酒「トノト」の酒粕「シラリ」を混ぜて焼いた伝統的な焼き菓子も、きっと芳醇な味わいで、アイヌの人々はごちそうとして楽しんでいたのでしょうね。
![](https://images.nichinichi-magazine.com/articles/5000/5348/wysiwyg/790a076283ea75d79180dae429438778.jpg)
現代風にアレンジされたアイヌスイーツ「酒粕の焼き菓子」は、材料を混ぜたらトースターで気軽に焼ける、簡単ケーキでした。
日本酒の副産物である酒粕を使うと、特別感のある味わいを楽しめます。ホットケーキミックスで気軽に作れるので、大人のスイーツとしてぜひお試しくださいね。
<参考文献>
WEB
『北海道農政事務所〜アイヌの伝統料理〜』
https://www.maff.go.jp/hokkaido/jigyou_shien/syokubunka/ainu-dentouryouri.html