猛暑の今夏、暑さ対策で愛用している人が多いハンディファン。いつでもどこでも使える便利なアイテムですが、実は目にとっては危険なことがある…かもしれないって、ご存じですか?7月7日放送の『THE TIME,』では、ハンディファンが及ぼす目への悪影響について、眼科医が警鐘を鳴らしていました。角膜が傷ついたり、視力が下がったりするという…。今回は目への負担を避けるハンディファンの使い方について、詳しく解説していきます。
【クイズ・目の夏バテ】目が紫外線の影響を最も受けるのは…「午前9時」「正午」「午後2~3時」のどれ?
ハンディファンが及ぼす目へのダメージ
暑さ対策には欠かせないハンディファンですが、顔の方に向けて使うのは実は危険なんです。
朝の情報番組『THE TIME,』では、伊藤医院 副医院長・眼科の有田玲子医師がハンディファン使用による目への影響について、
「目の方に風が当たると涙が吹き飛んでしまって、角膜がむき出しの状態になり、傷ついたり、ばい菌が入って視力が落ちたりというようなリスクがあります」とコメントしていました。
【ハンディファンを使った実験】
涙は主に水分と油分でできており、まばたきをする度に一定の厚みで目の表面を覆っている状態が維持されます。
これを『涙の安定性』といいます。
番組では、現代人の角膜ケア研究所が行った次のような実験を紹介していました。
【実験方法】ハンディファンの風を1分間顔に当て、その後の涙の安定性を測定する。
出典:現代人の角膜ケア研究所
上の画像のように涙を緑色に染色してみると、ハンディファンの風を受けた後では、涙が蒸発した部分が黒くまだらになっています。
また、1分間風を当てた後は、まばたきをしてから1~2秒で涙が蒸発し始め、涙の保持時間が半分以下に減少していました。
これらの結果から、涙の安定性が明らかに低下したことが分かります。
たとえ短時間でも、風が直接目に当たってしまうとドライアイは進行していくんです。
さて、涙には目を潤わせて乾燥を防ぐだけでなく、以下のような重要な働きがあるってご存じでしたか?
【涙の働き】
・目に入った異物を洗い流し、涙に含まれる殺菌物質のラクトフェリンやリゾチームが感染を防ぐ
・目の表面の傷を治癒させる
・目に酸素や栄養を運ぶ
・角膜(黒目の部分)を滑らかにして鮮明な画像を脳に届ける
ハンディファンの風が直接目に当たり、涙の安定性が低下すると、目の痛み・充血・かすみ目・疲れ目などの症状を招く原因となってしまいます。
出典:イラストAC
実際に、有田先生の勤務する伊藤医院でも目の乾燥を訴える患者が急増しており、多くの方がハンディファンを使っていたそうです。
また番組が渋谷でハンディファンを使っている人に行ったインタビューでは…
「顔全体に使うようにしています」と答える人や「こういう感じで…」と、目に風がダイレクトに当たるように使っている人がいました。
その結果、「(目が)若干乾燥するかも」、「しょぼしょぼする」といった目の症状を訴える人が見受けられました。
涼しさを感じるために、顔に向けてハンディファンを使っている人が多いようです。
目を守るにはどう気をつけて使えばよいのか、目の乾燥を防ぐための注意点を有田医師が教えてくれていました。
【眼科医伝授】ハンディファンの正しい使い方
1. どうしても顔や目の周辺を冷やしたい場合は、目を閉じて、なるべくハンディファンを上から下方向に当てるようにして、首周辺にも当てるようにする。
2. 目薬を1日に3~5回、一滴ずつさす。
出典:イラストAC
ハンディファンだけでなく、エアコンや扇風機、うちわの風も直接目に当たらないように気をつけましょう。
人工涙液やヒアルロン酸配合の目薬は、目に潤いを与えることで目の乾き・疲れ目などの諸症状を改善させます。
また、ビタミンA配合の目薬は角膜の修復を助ける作用があるのでおすすめです。
いかがでしたか。
夏は目の乾燥や疲れを感じやすいので、負担をかけすぎないよう労りながら過ごしてくださいね。
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