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2021.10.21

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【現役ナースが解説】コロナで自宅療養になったら…重症化を防ぐ「13の症状」とセルフチェックの注意点

看護師のmocaです。新型コロナウイルスの第5波がようやく沈静化、緊急事態宣言が解除となりました。ワクチンの2回接種も国民の6割を超えましたよね。でも、ワクチン接種で感染を完全に防げるわけではありません。もしも感染してしまったら、無症状や軽症の場合は自宅療養になることが予想されます。その際、どんなことに気をつけたらいいのでしょう。重症化しないために、体のどんなサインを見逃さないようにすべきなのか、現役ナースの立場から解説します。

自宅療養の際に気をつけたい13の症状

厚生労働省より、観察していくべき13の『緊急性の高い症状』というものが示されています。


出典:厚生労働省のHPより抜粋

自身や家族が自宅療養する際は、この13の症状について自分で観察(セルフチェック)を行います。状態の悪化に気づいたら保健所や病院に相談するなど、すみやかに適切なアクションを起こしてください。重症化にいたることがないよう、遅れずに適切な治療を受けることが大切です。

この13の症状のセルフチェックについては、さまざまなニュース番組でも取り上げられており、朝の情報番組『ZIP!』でも詳細に紹介されていました。そのときの解説は、国際医療福祉大学の松本哲哉主任教授。こちらの「呼吸数」についての説明はとてもわかりやすかったです。

1分間の呼吸数を通常と注意の2つに分けて説明していたのですが、通常の呼吸は1分間に10~20回ほどなのですが、30回以上になったら注意が必要とのこと。

医師によると13の症状に当てはまると、肺炎がかなり進行して中等症や重症に移行している可能性があるそうです。

この項目を原則1日2回チェックし、当てはまることがあれば看護師や保健師からの定期的な連絡を待つことなく、直ちに救急車を呼んだり、各都道府県の相談窓口に連絡したりする必要があります。

救急車を呼んだらいいか判断に迷ったら
総務省消防庁 緊急安心センター事業の#7119に電話してください。

電話口で医師や看護師等の専門家が救急相談に応じてくれます。


わたしにも幼い子どもがいるので、高熱が出たときにきちんと対応できるか不安になった経験があります。もしもコロナ感染したときに、このような観察項目を知っていれば適切な対応ができると思いました。

一人暮らしの方は家族などに毎日連絡をとってもらい、状態の確認をしてもらったほうがよいでしょう。

パルスオキシメーターがあると分かること

パルスオキシメーターとは、指にはさんで装着するだけで血中の酸素飽和度と心拍数を観察することができる装置です。


出典:PHOTO AC

呼吸器疾患などのない正常な状態では酸素飽和度(SpO2値)は97~100%あります。しかし、肺炎が進行すると肺の血管から十分に酸素をとり込めなくなり、酸素飽和度は低下します。
SpO2値が96%以上はコロナ感染症の軽症、96%未満は中等症という判断の目安になります。

パルスオキシメーターがあれば、13の症状の観察に加えて数値で状態を観察することができます。コロナ感染症の自宅療養者には無料で貸与してくれる自治体もあります。個人でもAmazonなどで購入できるようですが、購入する際にはよく調べてください。

自宅療養中に注意するのは、エコノミー症候群

コロナ感染症は軽症といっても症状自体は軽くなく、長引く発熱や咳、倦怠感などで今までの体調不良のなかで1番しんどかったという感染者の方の声を耳にします。
しんどくて動くことも困難な状態になると、エコノミー症候群のリスクが高まります。

エコノミー症候群とは、長時間同じ姿勢で動かないことや、脱水によって下肢に血の塊である血栓が作られ、血栓が血流により血管を通って肺へ運ばれて肺の血管を詰まらせてしまう病気です。エコノミー症候群を発症すると、呼吸困難や胸痛、循環不全を引き起こし、命に関わります。

エコノミー症候群の対策には次の方法があります。

・無理のない範囲で室内を歩くようにする
・横になったままできる足の運動をする
・着圧ストッキングを履く
・こまめに水分補給をする

横になったままできる運動はとても簡単で、下記の画像のようにつま先を下に向けて伸ばす動きと、上げる動きを交互に行うだけです。つま先の運動をすることで下肢の血流が促され血栓の形成を防げます。


つま先を下に向けて伸ばす動き


つま先を上に上げる動き

メディキュットなどの着圧ストッキングを使用するのもおすすめ。ふくらはぎの筋肉を圧迫し、足首の圧がもっとも高くなるように段階的に圧をかけることで、下肢の静脈の血行を改善します。



水分補給はカフェインを含まない水や麦茶、スポーツドリンクが望ましいです。カフェインには利尿作用があり、脱水を進行させてしまうので控えた方が良いでしょう。

今後も感染予防に努めましょう

第6波に備え、感染予防はこれからも心がけていきたいですね。

手洗いや手指消毒、うがいに加え、手に付いたウイルスが目の粘膜からも侵入しないよう、外では目や顔に触れないように気を付けることも大切です。ウイルスの侵入を防ぐには、マスクはウレタン製や布製よりも不織布製のものが望ましいです。

3密を避ける際に特に注意が必要なのは、マスクを外さなければならない食事のときです。黙食を心がけ、話すときにはマスクをつけるなど、気をつけていきたいですね。

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