2021.08.04

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【農業男子】花にかける情熱はピカイチ! スポーツインストラクターから切り花農家になった、佐藤さんに密着!

東京都世田谷区の住宅街の中を歩いていくと…見えてきたのが切り花を生産する大下農園のビニールハウス。ここでは、父の跡を継ぎ、農園主となった佐藤友雄さんが、丁重に花を育てています。そんな佐藤さん、実はインストラクターをしていたほどのスポーツマン!就農したきっかけから、切り花、そして都市農業への想いを聞きました!



幼少期からスポーツ一筋! 就農したきっかけとは

梅雨まっただ中の東京。この日、大下農園のある世田谷区・千歳烏山は雨の予報。それにもかかわらず、取材に伺うと眩しいほどの晴天に。



「こんにちは!」と、ひときわ元気な声で出迎えてくれたのは、この大下農園で切り花栽培を始めて二代目となる佐藤友雄さん。晴天と同じくらい爽やかな笑顔が印象的です。

それもそのはず。佐藤さんは3歳から水泳を始め、大学ではライフセービング部で活躍し、卒業後はスポーツインストラクターをしていたほどのスポーツマン!



さっそく農園を案内してもらいながら、農業を始めたきっかけを話してくれました。

「切り花栽培は父の代から始めました。30歳で実家の農園を継ぐと決めていたんですが、ずっとスポーツしかしてこなかったので、花のことはまったく分からなくて…。就農する前に少しでも花の知識をつけたくて、27歳でインストラクターを辞めて、花の卸売り市場で一年半勉強しました。そのあとは生花店でも一年半就業して。30歳で就農したので、今年で農家になって6年目になります」と佐藤さん。



お話を聞きながらビニールハウスの中に入ると、ちょうど夏に旬を迎える花々があちこちに。



農業男子が育てる切り花の栽培方法が気になる!


苗の生育状況をチェックする佐藤さん

主に切り花はビニールハウスや畑で栽培。季節それぞれの花を選び、植え付けから水やり、収穫、出荷まで、ほぼ一年中作業は続きます。

「花の栽培はやってるうちにどんどん楽しくなりました。品種によって球根だったり、種だったり、苗だったり。植え付けをしてすくすくと育っていく花を見ていると、とてもやりがいを感じます」(佐藤さん)



「東京では少量多品種で栽培している農家がほとんど。今は9月のお彼岸に向けて、ユリやキクなどの栽培と出荷の最盛期です。つぼみから花が咲くまでとても早いので毎日出荷で大忙しですよ」(佐藤さん)

この日も朝6時に起きて、前日に収穫した切り花の荷造りをして、7時半に直売所へ。そのあと午前中は植え付けや水やりをし、午後にはまた翌日分の収穫に。



収穫のお話を伺おうとしたそのとき、佐藤さんがサッと手に取ったのは愛用中の業務用花ばさみです。

「花を切るときも屈む必要がなく、軽い力でサクッと切れるんです」と話しながら、旬を迎えたトルコキキョウを手慣れた様子で収穫していきます。



「栽培中や花の収穫よりも、実は出荷する作業とそのあとの片付けが大変なんです(笑)。収穫した花はまずはバケツの水につけておき、翌朝、数本ずつビニールを巻いて…」と、これまたビニールを巻く動作の速いこと!



こうした農家さんの地道な作業があって、私たちの手元にきれいな花が届くんですね。



佐藤さんが目指すこれからの都市農業

「都市部で農業を営んでいるところは、ほとんどが住宅街の一角。住んでいる地域の方々の理解がないと続けていくことができないんです。だからこそ、若い世代にもっと農産物に触れたり、農家の話を聞いてみて欲しいなと思いますし、そういった機会を作っていきたいです。そうすることで、きっと農業のイメージが変わるきっかけになると思うんです。心を込めて栽培している切り花も、きれいだな、飾りたいなと思ってくれる人が増えていくことを願っています」(佐藤さん)



爽やかで元気いっぱいの佐藤さん。そんな佐藤さんが育てた切り花は、JA東京中央のファーマーズマーケット千歳烏山ファーマーズマーケット二子玉川などで買うことができます。近くに立ち寄った際は、ぜひ手に取ってみてくださいね!

JA東京中央 ファーマーズマーケットの情報はこちらをご覧ください!
ファーマーズマーケット千歳烏山:https://www.ja-tokyochuo.or.jp/store/detail/market_chitosekarasuyama
ファーマーズマーケット二子玉川:https://www.ja-tokyochuo.or.jp/store/detail/market_futagotamagawa


大下農園

佐藤友雄さん

小さい頃から水泳を始め、大学ではライフセービング部に所属。卒業後はスポーツジムのインストラクターを経て、実家である「大下農園」を継ぐため27歳で花の道へ進み、生花店や花の卸売業を経験してから30歳で就農。切り花生産を始めて6年目で、現在はユリやキク、ストックなど、少量多品種を生産している。佐藤さんの育てた切り花は、JA東京中央のファーマーズマーケット千歳烏山とファーマーズマーケット二子玉川で販売中。ファーマーズマーケットに関して詳しくはこちら

写真/菊地菫 取材協力/JA東京中央・JA東京中央会

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