看護師のmocaです。今、両腕を上げるバンザイや、かかとを床につけたまましゃがむなどの、基本的な動作ができない子どもが2人に1人はいるそうです。TBS『まるっと!サタデー』に出演していた整形外科医の林承弘医師によると、長時間スマホやゲームをすることによる猫背が原因なんだとか。これは由々しき事態ですよね。番組では対策についても解説していたので、詳しくまとめていきますね。【応急手当てのシン・常識】やけどをしたら…「アロエを塗る」は間違いなんです!正しい手当ての方法とは?増加する子どもの猫背
テレビ番組『まるっと!サタデー』では、さいたま市にある林整形外科の林承弘院長を取材。
バンザイや、かかとを床につけたまましゃがむことができない子どもが多いのは、猫背が原因だと言います。
5歳のわが子も、テレビやタブレットを見ている時に、顎が前に出て背中が丸まった姿勢になっているので心配です。
林院長は約700人の中学生を対象に、以下の4項目のチェックを実施。
・両腕を垂直に上げてバンザイができるか
・かかとを地面につけたまましゃがむことができるか
・ふらつかずに5秒以上片足立ちができるか
・膝を伸ばしたまま前屈して手を床につけるか
この調査の結果、
4項目のうち1つでも「できない」が当てはまった生徒が2人に1人の割合でいたそうです。
文部科学省監修の健康診断マニュアルにも同じようなチェック項目が2016年から新たに盛り込まれています。それほど、このような子どもが増えているのですね。
林医師は「手を垂直に上げることができない子どもは2割程いて、そのような子は肩甲骨がガチガチになっている」と話します。
4項目のうち一つでもできない子どものことを
『子どもロコモ』と呼ぶそうです。
ロコモって、ちょっと聞き慣れない言葉ですよね。
ロコモとは、加齢や病気による骨・関節・筋肉などの運動器の障害のために身体機能が低下した状態のことを指す用語です。
これが子どもにも起こっているなんて驚きですね!
林整形外科で治療を受けている男子中学生は、番組取材に対し「以前から股関節の痛みがあり、しゃがみこみやバンザイができなかった」と話していました。
男子中学生の姿勢について林医師は次のように指摘します。
「顎が出て、肩が巻き肩になっている。腰椎が後弯して骨盤が寝てしまい、猫背になっている。骨盤が寝てしまって背中が反れないんですよ」
本来、正しい姿勢の人の背骨は下のイラストのように頚椎(首)が前に弯曲、胸椎(胸)が後ろに弯曲し、腰椎(腰)が前に弯曲していて、緩やかなS字カーブを保っています。
出典:イラストAC猫背には、骨盤が後ろに傾いているタイプと前に傾いているタイプがあり、骨盤が後ろに傾いている場合は、背骨が後ろに丸まっている状態。逆に骨盤が前に傾いている場合には、腰椎が前に反りすぎている状態です。
林医師によると、猫背だと骨盤が立っていない状態なので、基本的な運動機能にも影響が出てしまいます。それで、しゃがみこみや前屈ができなくなるそうです。
「スマホやゲームのやり過ぎによる姿勢の悪さが、一番大きい原因だろう」と言います。
現代では昔に比べて体を動かして遊ぶことが減り、スマホやゲームに没頭してほとんど体を動かさなくなったために、正しい姿勢を保てない子どもが増えてしまいました。
長時間の同一姿勢で体が固まっている上に、正しい姿勢を保つために必要な腹筋や背筋などの筋力を鍛えにくいんです。
猫背によるの子どもへの影響出典:イラストAC林医師は「腰痛や肩こりを訴える子どもが増えた。体が固く、筋力や関節が十分に発達しないと怪我のリスクも高まる」と話します。
猫背によって肺が圧迫され胸郭の動きが制限されると、呼吸が浅くなり、酸素が十分に取り込めずイライラ感や疲れやすさ、集中力の低下を招きます。
また内臓や神経が圧迫されて、頭痛やめまい、消化不良、便秘・下痢などにつながることも…。
子どもロコモの改善策
番組の最後では、林医師推奨の
『ロコモ体操
』を紹介していました。
大人も子どももロコモ体操を毎日たった2分行えば、姿勢と運動機能の改善が期待できるそうです。
【ロコモ体操】1.頭の後ろで手を組み、深呼吸。
息を吸うときに肩甲骨を閉じ、吐くときに開きます。
この時に頭が前に出ないように注意してください。
2.両手をまっすぐ上げて、つま先立ちをして伸びをし、そのまま体を折り上半身を前に倒します。
2つの体操をゆっくりと5回ずつ行えばよいそうです。
わたしも猫背になりがちなのでやってみたところ、上半身が気持ちよく伸びて、腹筋と背筋に程よく効いた感じがしました!
ロコモ体操はシンプルな動きで無理なく続けられると思うので、猫背が気になる方は試してみてはいかがでしょうか。