2021.10.01

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【梨の品種、いくつご存じ?】農家に聞いたおすすめ梨6選!おなじみのものから珍しいものまで、これであなたも梨マスター!

今が旬まっさかりの梨。梨のなかにもさまざまな品種があり、味や糖度に大きな違いがあるのをご存じですか? そこで、いつも食べているおなじみの梨から、農産物直売所などでしか手に入らない珍しい梨まで、梨農家におすすめの6品種を教わりました! 品種ごとの出荷時期や日持ちする日数まで、これを読むだけで一気に詳しくなれちゃいますよ~!



和梨は大きく分けると、「赤梨」と「青梨」の2種類!

梨の品種は主に和梨、洋梨、中国梨の3つに区分されます。日本で栽培されている和梨は、形が丸く、シャリシャリとした食感と、みずみずしい甘みが特徴。

「和梨は、毎年新しい品種が誕生していて、現在100品種以上あると言われています」と話すのは、東京都国立市で「さとう園」を営む佐藤英明さん・淑美(よしみ)さん親子です。



「一般的に広く市場に出回っているのは「幸水」や「豊水」といった品種で、名前を聞いたことがある人も多いはず。実はこの2つは、和梨の中でも「赤梨」に分類されます。黄褐色の皮が特徴で、触るとザラザラとしたコルク層と呼ばれるものが多くあります。有名な「二十世紀梨」は「青梨」という種類。皮が淡い黄緑色で、赤梨に比べるとコルク層の形成が少なく、ツルッとした触りごごちが特徴です」(淑美さん)


左から青梨、赤梨。

和梨だけでも、そんなに種類があるなんてびっくり。なかなか奥深い世界です。

では具体的に、味や糖度にどのくらい違いがあるのか、おすすめの品種ごとに見ていきましょう。

梨農家イチオシの梨品種6選

幸水(コウスイ)


写真/石塚修平

日本で最も多く生産されている品種。赤梨の一種で、甘みが強く、ほどよい酸味が特徴です。果汁も多く、実もやわらかめ。日持ちは1週間ないくらいなので、早めに食べるのが◎。

豊水(ホウスイ)


写真/石塚修平

幸水の次に、多く生産されている品種。赤梨に分類され、その名の通り、皮をむくと果汁がしたたり落ちるほどのみずみずしさが特徴です。見た目は幸水と似ていますが、幸水よりもひとまわり大きめで、糖度も酸味もしっかりあります。日持ちは約1週間。



「幸水や豊水のおいしさを見極めるには、おしりのくぼみをチェック! 深いものほど甘みが強いですよ」(英明さん)

稲城(イナギ)


写真提供:さとう園

東京都稲城市で誕生した赤梨の一種。生産地が限られていることから、「幻の梨」とも呼ばれます。大玉で、たっぷりの水分と強い甘みが特徴。収穫時期が8月中旬から9月上旬と短いのも希少価値が高い理由の一つです。


写真提供:さとう園

「稲城のおしりには、完熟の証である“天使の輪”が現れます。これが食べごろの証!」(英明さん)

秀玉(シュウギョク)


写真提供:さとう園

青梨特有のシャリッとした食感と、きめ細かくて上品な甘さが特徴の品種。完熟してくると、淡い緑色から黄色に色付いてきます。サイズは稲城よりも大きめ。栽培が難しく、流通量が少ないため、稲城と同じくらい希少価値が高いといわれています。

あきづき(アキヅキ)


写真/石塚修平

豊水や新高、幸水の交雑によって誕生した赤梨。収穫が秋で、果実が豊円形で月のように見えることから「秋月」と名づけられたそう。甘みが強く、数ある品種の中でも、色も形も特に美しいといわれています。

新高(ニイタカ)


写真提供:さとう園

幸水や豊水に次いで、生産量が日本で3番目に多い品種。赤梨の一種で、梨の中でも特にサイズが大きく、1キロほどになることも。甘みは強く、酸味は少なめ。ほかの梨と比べて日持ちがよく、ラップに包んで冷蔵庫で保管すれば約1か月保つことも。



「味の好みは人それぞれ。梨は品種によって味や甘みがまったく異なるので、食べ比べてお気に入りの品種を見つけるのも楽しいと思います。わが家で栽培している「稲城」や「秀玉」は市場には出回らない珍しい品種なので、ぜひ一度食べてみてくださいね」と淑美さん。

さとう園は農園として梨を生産するだけでなく、農業体験の受け入れや、ゲストティーチャーとして、小中学校での講演や、野菜栽培の指導なども行っています。



「農業を続けられるのも、地域の方をはじめとする多くの人の協力や理解があってこそ。地域の方と協力しながら、国立の梨の歴史を未来へつなげていきたいです」(英明さん)



今回ご紹介した梨はほんの一部の品種。最近では、品種改良で「ご当地梨」を栽培するところも増えており、新しい味が続々と登場しているそう。スーパーはもちろん、直売所などに立ち寄った際は、珍しい梨も手にとってみてくださいね。

さとう園

佐藤英明さん・淑美さん

東京都国立市で、梨を栽培。「幸水」や「豊水」などの定番の品種のほか、東京都内でしか栽培されていない「稲城」や、全国でも珍しい「秀玉」などの希少種も出荷している。「さとう園」でとれる梨はすべて予約販売で、全国に発送も。Twitterでは、四季折々の生育状況や、梨の販売状況などを発信中。
さとう園 
住所:東京都国立市谷保1508
ツイッター:https://twitter.com/nashi_sato?lang=ja

写真/研壁秀俊 取材協力/JA東京みどり

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