2023.10.28

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【都市伝説では…ない】台湾では道端に「赤い封筒」が落ちていることが…絶対に拾ってはダメ!拾うとどうなる⁉



「冥婚」はいつから始まった?



画像出典:photoAC

「冥婚」がいつ頃から始まった風習なのか、書籍やネットで調べてみると…。

例えば中国では、「冥婚」は漢代(紀元前206年〜西暦220年)には、すでに存在していたらしく、未婚で亡くなった男性の家族が女性の死者を探し花嫁として合葬した、などの話が残っているそうです。
時代を追う中で、形を変えながらその風習は続き、生者同士の結婚と同じような仲人職(鬼媒人と呼ばれたそう)が存在していたことも。ということは、それなりの数が執り行われていたのでしょう。
また、先に話した合葬のような死者同士以外に、「生者が亡くなった婚約者と“冥婚”をする」「婚約することなく亡くなった子どものために、家族が人を雇って“冥婚”を執り行う」など、いくつかのパターンがあったようです。

そのような「冥婚」の風習の根本にあるのは、”人は結婚してこそ一人前”という考え。それに紐付いて、以下2つを大きな目的としているそうです。
まず一つ目は、結婚の喜びを知らずに亡くなった子の霊を慰めるため。そしてもう一つは、未婚で亡くなり、この世に遺恨を残してしまった霊の祟りを避けるため。
さらに女性の場合は、未婚で亡くなるときちんと供養を受けられなかったそう。それが哀れであると同時に、そのために生きている家族を祟ることがある、などとも考えられていたようです。

今回の話の舞台である台湾でも、中国同様、「冥婚」は古くから行われている風習のようでした。

けれど、今の時代は、幸せの定義や自分らしい生き方が、人それぞれで異なります。
結婚=幸せではないし、ましてや結婚して一生を終えるのが人として正しい生き方、なんてことも全くない。これからはますます多様化が進むはずで、「冥婚」もそれに伴い、数も形もどんどん変わっていくのではないでしょうか。

「冥婚」は実在するけれど「赤い封筒」は…


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台湾には実際に「冥婚」という風習が存在していることがわかりました。

『何だコレ!?ミステリー』に登場していた林助教授の調査によれば、2000〜2017年の間にそうした「冥婚」がニュースなどで報道された件数は、200以上もあったそうです。結構な数で、驚きますよね。

ただ…。「道端に赤い封筒を置く」という行為には、少しだけ疑問が残ります。

実は、この「道端に赤い封筒を置く」が広まったのは、「冥婚」をテーマにしたドラマや映画の影響が大きいのでは?という説もあるよう。

また、台湾ルポライター・田中美帆さんのコラムでは、「冥婚」を研究していた方が、親が大切な娘をよく知らない男性に嫁がせるはずはなく、赤い封筒が道端に置かれることはない、と断言。
確かに親であれば、生きていた頃の娘が実際に結婚相手として選ぶような、娘のことを大切に想ってくれる方を選んで、お願いしたい…。そう考えるのが、自然な気がします。

もしかしたら「赤い封筒を道に置く」は、映画やドラマを見た人たちが広めた都市伝説的なところも大きいのではないかな、という印象を受けました。

ただし!実際に置かれている可能性は、ゼロではありません。
もしもあなたが、台湾を旅行中に道端に赤い封筒を見つけたら。
それが「冥婚」の目的でも、そうでなくても、誰かが何かしらの意思を持って置いたものには違いありません。
何が起きても受け止める覚悟がなければ、拾わないのが無難。間違っても興味本位で拾ったりせず、その場を立ち去るほうがいいでしょう。
 

【参考資料】
<WEB>
『訪日ラボ〜冥婚(めいこん)死者との結婚・台湾「赤い封筒」は何を意味する?拾わないよう言い聞かされて育つ台湾人〜』
https://honichi.com/news/2020/06/12/ghostmarriage/

『まとめん〜台湾の赤い封筒の秘密 〜冥婚とは?拾ったら注意点とその意味〜』
https://omatomen.net/archives/1-6959.html

『SNSでバズった「冥婚」 台湾の伝統的風習のホントのところ』(田中美帆)
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/d1358f94521dded108f389b7d4aa7a481f924b2a

『ウィキペディア〜冥婚〜』
https://ja.wikipedia.org/wiki/冥婚

<書籍>
『民俗小事典 死と葬送』(吉川弘文館)
『中国の傳承と説話』(研文出版)
『死者の結婚〜祖先崇拝とシャーマニズム』(北海道大学出版会)

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