2024.05.28

食べる

学者によると『キャベツの姿は絶望的…らしい』 その代償に甘みを蓄えるそうで…すべて絞り出す調理法を試してみた

管理栄養士のともゆみです。先日、NHKの情報番組『あしたが変わるトリセツショー』でキャベツのトリセツを紹介していました。植物の専門家によると、キャベツは一見絶望的な姿をしている(⁉)ように見えるそうなのですが、実はそこに甘さを引き出す秘密が隠されているんだとか。番組では、キャベツについての解説と共に、特定の調理法でキャベツの甘さをぐいぐい引き出す「スイートキャベツ」の作り方も紹介。ちょうど今が旬の春キャベツを使って、わたしも試してみたいと思います。

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NHK番組「あしたが変わるトリセツショー」は、毎回あるテーマを最新科学や大実験・大調査をもとに解明していく番組です。今回のテーマ「キャベツ」についても、さまざまな観点から解き明かされ面白い発見があり、見ごたえがありました。

絶望的な姿?

キャベツは葉が巻いている丸い形をしていますが、植物の専門家によると、植物学的には「絶望的な姿」なのだそうです。キャベツの成長点は芯の部分。なのに葉で巻かれて覆われてしまい、上に伸びにくく、成長させて花を咲かせるのも一苦労、繁殖するには難しい形なのです。ですが、キャベツは巻かれることで、光が届かず光合成をしない内側の部分に糖やアミノ酸が多く蓄えられ、どんどん甘くなっていくのです。植物学的には絶望的でも、人間にとってはおいしくなる形なのですね。

キャベツの甘さを引き出すには?

キャベツの甘さを引き出してくれる調理法、それは「濃い塩水で茹でる」でした。フレンチの巨匠田代さんがやっていたキャベツの調理法です。番組で調べてみると、生のキャベツと比較して塩茹でするだけでなんと甘みが1.64倍に!塩茹ですることでキャベツに含まれる水分が外に出て、糖の濃度が高くなると考えられています。さらに、甘みだけでなく、グルタミン酸、アスパラギン酸、ビタミンUやGABAなどの栄養成分などの濃度も高くなる結果が。

「スイートキャベツ」の材料と作り方


【材料】(2人分)
キャベツ…1/4個(300~350g) ※春キャベツ使用
水…1.5L
塩…37.5g(大さじ2~2杯半)

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【作り方】
1. 鍋に水と塩を入れ、フタをして強火でしっかり沸騰させて塩を溶かします。沸騰したら弱火にして、芯を取ったキャベツを外側の葉を下にして入れます。水面に細かい泡がプツプツと上がるくらいの湯加減で、葉の付け根にも火が通るように軽く揺らしながら茹でます。

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2. 茹で始めてから2分たったら先に外側の葉を取り出し、水の入ったボウルにとります。

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3. 残りの葉はほぐしながら茹で、1分たったら取り出し、30秒水に浸して塩気を落とします。

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4. ザルで水気を切って、水気が気になる場合はキッチンペーパーでさらに水気を拭き取ると、スイートキャベツの完成です。

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5. 器に盛り、好みの具材で巻きます。今回は生ハム、トマト、カニ風味かまぼこ、スライスチーズ(すべて分量外)を巻いて食べてみたいと思います。

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