2024.08.05

食べる

【夏季限定】何と!レア過ぎる「生そうめん」なるものがあるらしい!「生」って何だ⁉入手して食べてみた



2つ並べてみると違いが一目瞭然ですが、左が生そうめん、右が揖保乃糸です。



生そうめんの方が見た目も太く、揖保乃糸よりも黄色がかって見えます。麺の断面も少し丸みがあるのですが、すごいのはその食感です。食べ慣れている乾麺のそうめんとは全く違い、噛んだ時に押し返してくるくらいに弾力があります。試しにめんつゆにつけずに麺だけ食べてみると、おいしい小麦の味がしっかりと感じられました。麺が細くなると、それだけデンプンがお湯に溶け出しやすくなります。デンプンは甘みがありますので、細い乾麺よりも太い生そうめんの方が甘みを感じるのはこのせいなのだそうです。これが生ということなんだなと、おいしさが実感できるのはすごいです。こんなおいしい生そうめんが普段から手に入るようになってしまったら、乾麺には戻れないかもしれません。



そうめんは今から1700年ほど前、中国の魏の国で生まれたと言われています。縄状の唐菓子だったものが唐の時代に奈良県の桜井市に伝わり、やがて室町時代に麺状に変化。江戸時代になると細長いそうめんを糸に見立てて、裁縫が上手くなるようにと七夕の供物になっていきました。夏の風物詩のように食べているそうめんですが、夏とつながりがあったのですね。

今回の生そうめんのパッケージには、『「さぬき麺業」さぬき生そうめん 本場2人前(220g)』とあります。さぬき麺業さんはその名の通り、さぬきの国、今の香川県にある老舗のうどん店です。すっかりうどん県として有名になった香川県ですが、小麦の生産が盛んなのはもちろん、うどんに欠かせない塩やしょうゆも作りやすい地域であったことがその理由でもあります。うどんもそうめんも主原料は一緒で、乾燥予防としてそうめんに油が塗られること以外は太さくらいしか違いがありません。最近は工場での生産が主になってきたため、その油さえも使わなくなってきているという話もあります。原料が一緒なので、さぬき麺業さんもそうめんを作っているということですね。

さて、私たちはそうめんやうどんに限らず、「~立て」という言葉に弱い傾向があります。焼き立て、揚げ立て、茹で立て、打ち立て、採れ立てと、なんとなくおいしいという言葉の代名詞のように感じてしまうのですが、例えばうどんやそうめんは、その生産地ではもちろん、出来立てのものを普通に食べることができますので、おいしいことが当たり前です。港町で魚がおいしいのも、山で山菜がおいしいのも同じ理由です。輸送技術が発達したおかげで遠方のものでも比較的早く入手できるようにはなりましたが、さすがに「出来立て」は現地以外では無理な話です。それでもこうして生そうめんが食べられるのですから、感謝しなければいけませんよね。

クセになるほどとんでもなくおいしいので、ぜひ入手して食べてみてください!

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